「GA4に切り替えたけど、何をどう設定すればいいのか分からない」「タグは入れたけど、ちゃんと計測できているか不安」──そんなお悩みを持つ中小企業の方は多いのではないでしょうか。Google アナリティクス 4(GA4)は高機能な反面、初期設定を正しく行わないとデータが正確に取れません。設定ミスに気づかないまま数か月が経過し、「ずっと自社のアクセスを分析していた」というケースも珍しくありません。
この記事では、中小企業のホームページ運用で「これだけやっておけばOK」という初期設定を5つのステップで解説します。設定が正しくできているかの確認方法や、よくある失敗もあわせてご紹介します。
GA4とは ── 旧アナリティクス(UA)との違い
GA4は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールの最新版です。2023年7月に旧バージョン(ユニバーサルアナリティクス=UA)のデータ収集が終了し、現在はGA4が標準となっています。
UAとの大きな違いは、「イベントベース」の計測モデルを採用している点です。UAではページビューが中心でしたが、GA4では外部リンクのクリック、スクロール、ファイルダウンロードなども自動的にイベントとして記録されます。より詳細なユーザー行動が把握できる一方、設定画面や用語がUAとは異なるため、最初は戸惑うかもしれません。
最低限やるべき5つの初期設定
GA4で確実にデータを取得するために、以下の5つの設定を優先的に行いましょう。
① プロパティの作成
GA4の管理画面で「プロパティ」を新規作成します。業種やビジネスの規模などの基本情報を入力するだけで完了です。タイムゾーンは「日本」、通貨は「日本円(JPY)」を必ず選択してください。初期値のまま(アメリカ/ロサンゼルス等)にしてしまうと、時間帯別レポートがずれた状態でデータが蓄積されます。後から変更できますが、過去データには反映されないため、最初に正しく設定しておくことが重要です。
② データストリームと拡張計測機能の設定
プロパティ内に「ウェブ」のデータストリームを追加します。サイトのURLを登録すると測定IDが発行されます。「拡張計測機能」はデフォルトでONにしておきましょう。
ただし、拡張計測機能で自動計測されるのは特定の条件下に限られます。外部リンクのクリック、スクロール、ファイルダウンロードなどは自動で取得できますが、お問い合わせボタンのクリックや電話番号タップなど、事業上重要な行動は個別にイベント設定が必要です。「拡張計測機能をONにしたから全部取れている」という思い込みには注意が必要です。
③ 導入方法を選ぶ(CMS直設定 or GTM)
測定IDをサイトに設置する方法は主に2つあります。
- CMS・テーマへの直接設定:WordPressなどのCMSでは、テーマ設定やプラグインの画面にGoogleタグIDを入力するだけで計測を始められます。小規模サイトや、当面はアクセス確認だけできればよいという場合はこちらで十分です。
- Googleタグマネージャー(GTM)経由:将来的にイベントの追加や広告タグの管理まで行う予定がある場合は、GTMを使うと運用しやすくなります。サイトのソースコードを毎回触らずに設定を追加・変更できます。
GTMを使う場合は、GTMコンテナにGA4の「Googleタグ」を設定し、リアルタイムレポートで計測が始まっているか確認しましょう。
④ キーイベントの設定(旧:コンバージョン)
GA4では、お問い合わせ完了や資料請求完了など、成果につながる重要なイベントを「キーイベント」として設定できます。この設定をしないと、サイトの成果を正しく測定できません。
中小企業のコーポレートサイトであれば、以下をキーイベントとして設定するのが基本です。
- お問い合わせフォームの送信完了
- 電話番号リンクのクリック(tel:リンク)
- 資料ダウンロードのクリック
※GA4の現在の管理画面では「キーイベント」という名称になっています。旧バージョン(UA)や古い解説記事では「コンバージョン」と書かれていますが、同じ概念です。画面上の文言が違うからといって設定が間違っているわけではありません。
⑤ 内部トラフィックの除外
自社スタッフのアクセスが混入すると正確なデータが取れません。設定は以下の順で行いましょう。
- Step 1:データストリームの設定 →「タグの設定を行う」→「内部トラフィックの定義」で自社のIPアドレスを登録する
- Step 2:管理 → データフィルタ →「Internal Traffic」フィルタを確認する
- Step 3:フィルタの状態をまず「テスト」にして数日様子を見る
- Step 4:問題がないことを確認してから「有効」に切り替える
IPアドレスを登録しただけでは除外されません。「データフィルタを有効にする」という操作が別途必要です。また、最初から「有効」にすると設定ミスがあった場合に必要なデータまで除外されるリスクがあります。テレワーク環境がある場合は、自宅のIPアドレスも追加しておきましょう。
設定が正しくできているか確認する
タグを設置したら、きちんと動いているか確認することが重要です。リアルタイムレポートを見るだけでなく、以下の順で確認するとより確実です。
- GTMのプレビュー機能:GTM経由の場合は、プレビューモードでタグが正しく発火しているか確認する
- GA4 DebugView:GA4の管理 → DebugView から、イベント名やパラメータが届いているかリアルタイムで確認できる
- リアルタイムレポート:実際に自分がサイトを訪問し、セッションが計上されているかを確認する
「リアルタイムレポートに表示された=OK」だけでは、イベントの細かい設定が正しいか分かりません。特にキーイベント(お問い合わせ等)は、DebugViewで実際にイベントが届いているかを確認することをおすすめします。
設定後に最初に見るべきレポート
初期設定が完了したら、以下の3つのレポートを定期的にチェックしましょう。
集客レポート(Traffic acquisition):どこからユーザーが来ているか(検索、SNS、広告、直接流入など)を把握します。セッション単位で流入元を確認でき、どのチャネルに注力すべきかの判断材料になります。「Direct(直接流入)」が異常に多い場合は、UTMパラメータの設定漏れや広告連携の見直しを検討しましょう。
エンゲージメントレポート:ユーザーがどのページを見ているか、どのくらい滞在しているかを確認します。人気のあるページや離脱が多いページが分かり、コンテンツ改善のヒントになります。
キーイベントレポート:設定したキーイベント(お問い合わせなど)がどれくらい発生しているかを確認します。流入チャネルごとの発生数を比較することで、費用対効果の高い施策が見えてきます。
また、SEOで流入を伸ばしたい場合はGA4とGoogle Search Consoleを連携しておくと便利です。どの検索キーワードでサイトに来たかをGA4上でも確認できるようになり、コンテンツ改善に役立ちます。
よくある失敗と注意点
GA4の初期設定でよくあるミスをまとめました。心当たりがないか確認してみてください。
- タイムゾーンを初期値のまま放置:アメリカ時間のままだと時間帯レポートが正しく取れません。プロパティ作成時に「日本」を選択しましょう。
- 内部トラフィック除外フィルタを有効化し忘れる:IPアドレスを登録しただけでは除外されません。「データフィルタを有効にする」操作が別途必要です。
- 拡張計測機能を「全部自動で取れる」と思い込む:問い合わせボタンや電話タップは、別途イベント設定が必要な場合がほとんどです。
- 管理画面の「キーイベント」が見つからない:旧称「コンバージョン」が現在は「キーイベント」に名称変更されています。古い解説記事を参考にすると迷うことがあります。
余裕があればやっておきたい設定
5つの基本設定が完了したら、次のステップとして以下も検討してみてください。
- データ保持期間の延長:GA4の探索レポートは、データ保持期間の設定によって参照できる範囲が変わります。初期設定は2か月のため、長期の比較分析をしたい場合は14か月に変更しましょう。管理 → データ設定 → データ保持で確認できます。
- Search Console連携:GA4とSearch Consoleを連携すると、検索キーワードやランディングページの傾向をGA4上でも確認できます。SEO流入を改善したい場合の第一歩として有効です。
- クロスドメイン設定:お問い合わせフォームや予約ページが別ドメインの場合、計測が途切れて流入元と成果が正しく紐づかないことがあります。クロスドメイン設定を行うことで、この問題を解消できます。
まとめ
GA4の初期設定は、一度正しく行えばあとは日々のデータが自動的に蓄積されていきます。まずはこの記事で紹介した5つの設定を済ませ、DebugViewで動作確認をしたうえで、基本レポートを月に1回でもチェックする習慣をつけましょう。データに基づいた改善の第一歩になります。
アイ・エス・プライムでは、GA4の導入・設定代行からデータを活用した改善提案まで、ウェブ解析のプロがサポートいたします。設定に不安がある方、データの読み方が分からない方も、お気軽にご相談ください。

