IoTで工場の「困った」を解決|遠隔監視・自動通知の導入事例と費用感

iot factory monitoring | 株式会社アイ・エス・プライム

「工場の設備が突然止まってしまった」「夜間の温度異常に朝まで気づけなかった」──製造業の現場では、こうした”困った”が日常的に発生しています。特に中小企業の工場では、人手不足もあり、すべての設備を常時見守ることは現実的ではありません。

こうした課題を解決する手段として注目されているのがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)です。本記事では、IoTの基本から工場での活用事例、導入の費用感までをわかりやすくご紹介します。

目次

IoTとは? わかりやすく解説

IoTとは、さまざまな「モノ」にセンサーや通信機能を取り付け、インターネットを通じてデータを収集・活用する仕組みのことです。身近な例では、スマートフォンで外出先からエアコンを操作したり、スマートウォッチで健康データを管理したりするのもIoTの一種です。

工場においては、設備の稼働状態や温湿度、振動、電力消費量などをセンサーで自動的に計測し、リアルタイムで監視・分析できるようになります。人の目では見落としがちな異常も、データとして正確に捉えることが可能です。

IoT導入前後の比較

IoTを導入することで、現場の管理がどのように変わるかを以下の表で整理しました。

項目IoT導入前IoT導入後
設備状態の把握目視・定期巡回センサーによるリアルタイム監視
設備故障の検知止まってから気づく異常の予兆を早期検知
夜間・休日の監視人が不在で対応不可異常時にスマホへ自動通知
温湿度記録手書きで定時記録(漏れあり)5分間隔で自動記録・クラウド保存
必要な人手巡回・記録に担当者が必要監視業務の省人化が可能
データの活用紙の記録のみ(集計困難)クラウドでグラフ化・傾向分析可能
IoT導入前 設備状態の把握:目視・定期巡回 設備故障の検知:止まってから気づく 夜間・休日の監視:人が不在で対応不可 温湿度記録:手書きで定時記録(漏れあり) 必要な人手:巡回・記録に担当者が必要 データの活用:紙の記録のみ(集計困難) IoT導入後 設備状態の把握:センサーでリアルタイム監視 設備故障の検知:異常の予兆を早期検知 夜間・休日の監視:異常時にスマホへ自動通知 温湿度記録:5分間隔で自動記録・クラウド保存 必要な人手:監視業務の省人化が可能 データの活用:クラウドでグラフ化・傾向分析可能
IoT導入前
  • 設備状態の把握:目視・定期巡回
  • 設備故障の検知:止まってから気づく
  • 夜間・休日の監視:人が不在で対応不可
  • 温湿度記録:手書きで定時記録(漏れあり)
  • 必要な人手:巡回・記録に担当者が必要
  • データの活用:紙の記録のみ(集計困難)
IoT導入後
  • 設備状態の把握:センサーによるリアルタイム監視
  • 設備故障の検知:異常の予兆を早期検知
  • 夜間・休日の監視:異常時にスマホへ自動通知
  • 温湿度記録:5分間隔で自動記録・クラウド保存
  • 必要な人手:監視業務の省人化が可能
  • データの活用:クラウドでグラフ化・傾向分析可能

工場でよくある3つの課題

私たちがこれまでお客さまの現場でヒアリングしてきた中で、特に多く聞かれる課題は以下の3つです。

1. 設備故障の発見が遅れる

設備の異常に気づくのが「止まってから」というケースは少なくありません。突発的な故障は生産ラインの停止を招き、納期遅延や損失につながります。予兆を早期に検知できれば、計画的な保全が可能になります。

2. 夜間・休日の無人監視

夜間や休日に工場を無人で稼働させている企業も多くあります。しかし、その間に温度異常や設備トラブルが起きても、翌朝まで誰も気づかないことがあります。被害が拡大してからの対応では、復旧コストも膨らみます。

3. 温湿度管理の手間

食品加工や精密機器の製造現場では、温湿度管理が品質に直結します。手書きの記録用紙に定時巡回で記入する方法では、記録漏れやタイムラグが生じます。連続的なデータ取得と自動記録が求められています。

IoT工場監視でできること

IoTによる工場監視システムで実現できる主な機能を以下にまとめます。

機能内容
温湿度監視食品・精密機器など品質管理に直結する環境を継続的に記録
設備稼働監視電流・振動センサーで稼働・停止・異常を自動検知
異常時自動通知閾値超過時にメール・LINE・SMSでリアルタイム通知
遠隔確認スマートフォン・PCのダッシュボードから現場状況を遠隔確認
データ記録・ログ管理計測データをクラウドに自動保存、いつでも過去ログを参照可能
傾向分析・レポート蓄積データをグラフ表示、劣化や異常の傾向を把握
IoT工場監視でできる6つの機能 温湿度監視 品質管理に直結する環境を継続記録 設備稼働監視 電流・振動センサーで異常自動検知 異常時自動通知 閾値超過時にメール・LINE・SMS通知 遠隔確認 スマホ・PCから現場状況を確認 データ記録・ログ管理 クラウド自動保存、過去ログ参照可能 傾向分析・レポート 蓄積データをグラフ表示し傾向把握
IoT工場監視でできる6つの機能
温湿度監視

食品・精密機器など品質管理に直結する環境を継続的に記録

設備稼働監視

電流・振動センサーで稼働・停止・異常を自動検知

異常時自動通知

閾値超過時にメール・LINE・SMSでリアルタイム通知

遠隔確認

スマートフォン・PCのダッシュボードから現場状況を遠隔確認

データ記録・ログ管理

計測データをクラウドに自動保存、いつでも過去ログを参照可能

傾向分析・レポート

蓄積データをグラフ表示、劣化や異常の傾向を把握

遠隔監視・自動通知の仕組み

IoTによる遠隔監視システムは、大きく4つのステップで構成されています。

  1. センサーで計測:温度、湿度、振動、電流値などを各種センサーで自動計測します。
  2. 通信でデータ送信:Wi-FiやLTE、LPWAなどの通信手段でクラウドにデータを送ります。
  3. クラウドで蓄積・分析:収集したデータをクラウド上で蓄積し、ダッシュボードでグラフ表示。傾向分析や異常検知も自動で行います。
  4. 異常時に自動通知:設定した閾値を超えた場合、メールやLINE、SMSなどで担当者に即座に通知します。

この仕組みにより、工場にいなくてもスマートフォンやPCからリアルタイムで状況を確認でき、異常発生時にはすぐに対応を取ることができます。

①センサー計測 温度・湿度・振動・電流値を自動計測 ②通信で送信 Wi-Fi・LTE・LPWAでクラウドへ送信 ③蓄積・分析 クラウドで蓄積しダッシュボード表示 ④自動通知 閾値超過時にメール・LINEで通知
①センサーで計測

温度、湿度、振動、電流値などを各種センサーで自動計測

②通信でデータ送信

Wi-FiやLTE、LPWAなどの通信手段でクラウドにデータを送信

③クラウドで蓄積・分析

データを蓄積し、ダッシュボードでグラフ表示・傾向分析

④異常時に自動通知

閾値を超えた場合、メールやLINE、SMSで担当者に即座に通知

導入事例:繊維工場での遠隔温湿度監視

群馬県内のある繊維工場(仮)では、染色工程の温湿度管理に課題を抱えていました。以前は1日3回の手動記録を行っていましたが、記録のタイミングによるばらつきや、夜間の温度変動を把握できないことが品質のブレにつながっていました。

IoTセンサーを導入し、定期的な間隔で温湿度データを自動計測・クラウド送信する仕組みを構築。異常値を検知した際にはLINEで担当者に即時通知されるようにしました。

導入後は、対象工程での品質管理がしやすくなり、手動記録の作業も不要になったことで担当者の負担軽減にもつながっています(※事例は業種・内容を一部抽象化した参考例です)。

導入までの流れ

ステップ1:現場ヒアリング・課題整理

まず、工場の設備構成・通信環境・監視したいポイントをヒアリングします。「何を、どの頻度で、どのように通知したいか」を具体化することで、最適な構成をご提案できます。

ステップ2:システム設計・見積もり

ヒアリング内容をもとに、センサーの種類・設置箇所・通信方式・管理画面の規模を設計し、費用と工期をお見積もりします。IoTの費用はセンサーの種類や通信方式、管理画面の規模によって大きく異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。

ステップ3:機器調達・設置工事

センサーや通信機器を調達し、工場への設置を行います。ほとんどの場合、既存設備を大きく改造せずに後付けで設置できます。設置工事中の生産ラインへの影響が最小限になるよう調整します。

ステップ4:クラウド設定・動作確認・研修

クラウドへのデータ連携、通知設定、ダッシュボードの構築を行い、動作確認をします。担当者向けに管理画面の操作説明・研修も実施します。

ステップ5:稼働開始・継続サポート

本稼働後も、運用上の疑問点や閾値の調整、追加センサーの対応など、継続的なサポートを提供します。現場の変化に合わせてシステムを柔軟に調整できます。

STEP1 現場ヒアリング課題整理 STEP2 システム設計見積もり STEP3 機器調達設置工事 STEP4 クラウド設定動作確認・研修 STEP5 稼働開始継続サポート
STEP1:現場ヒアリング・課題整理

設備構成・通信環境・監視したいポイントをヒアリング

STEP2:システム設計・見積もり

センサーの種類・設置箇所・通信方式・費用と工期を設計

STEP3:機器調達・設置工事

既存設備を大きく改造せず後付けで設置

STEP4:クラウド設定・動作確認・研修

通知設定・ダッシュボード構築、担当者向け操作研修

STEP5:稼働開始・継続サポート

閾値の調整や追加センサーへの対応など継続サポート

導入費用の目安

IoT導入と聞くと「高額なのでは?」と思われるかもしれませんが、近年はセンサーや通信モジュールの低価格化が進み、中小企業でも導入しやすくなっています。

  • 小規模な温湿度監視(センサー数台+クラウド):初期費用 30万〜80万円程度
  • 設備稼働監視+通知システム:初期費用 80万〜200万円程度
  • 月額のクラウド・通信費用:数千円〜数万円程度

なお、費用はセンサーの種類や通信方式、管理画面の規模によって大きく異なります。まずは現場の状況をお聞かせいただき、最適な構成をご提案します。また、IT導入補助金やものづくり補助金を活用することで、費用負担を抑えられるケースもあります。製造業でIoTを活用した成果については老舗製造業のIoT・DX導入事例もあわせてご覧ください。

IoT導入でよくある失敗

IoT導入を検討する際、次のような失敗が起きやすいです。事前に把握しておくことで、導入後の後悔を避けることができます。

目的を明確にしないまま導入する

「IoTを入れれば何かよくなるはず」という曖昧な動機で導入すると、何を改善したいのかが見えないまま費用だけかかってしまうことがあります。「どの設備の、どの数値を、何の目的で監視するか」を最初に明確にすることが重要です。

通信環境を事前に確認しない

工場内は金属製の設備が多く、電波が届きにくい場所があります。Wi-Fiの電波が届かなかったり、LPWAの通信が遮蔽されたりするケースもあるため、設置前に現場の通信環境を確認することが大切です。

データを集めても活用されない

データは集まっているのに、誰も確認せず、アラート通知も対応されないまま放置されるケースがあります。「誰が、何を見て、どう対応するか」という運用ルールを導入前に決めておくことが、IoT活用の成否を分けます。

よくある質問

Q:既存の設備に後付けでセンサーを取り付けることはできますか?
A:はい、ほとんどの場合、既存設備を大きく改造せずにセンサーを後付けできます。電流センサーや振動センサーは設備を停止させずに取り付けられるタイプが多く、導入のハードルは低くなっています。まず現場を確認した上でご提案します。

Q:通信環境(Wi-Fi)が整っていない工場でも使えますか?
A:Wi-Fiがなくても、LTEや省電力広域通信(LPWA)などの通信手段でデータを送信できます。電源環境が難しい場所には電池駆動のセンサーも選択肢にあります。まずは現場の環境をお聞かせください。

Q:補助金の申請サポートもしていただけますか?
A:はい、IT導入補助金やものづくり補助金の活用について、申請要件の確認から書類作成のサポートまで対応しています。補助金を活用することでIoT導入のコストを抑えられるケースもありますので、お気軽にご相談ください。

Q:IoT導入の費用はどのくらいかかりますか?
A:センサーの種類や通信方式、管理画面の規模によって大きく異なります。小規模な温湿度監視であれば初期費用30万〜80万円程度から、設備稼働監視を含む場合は80万〜200万円程度が目安です。まずはご要望をお聞きした上でお見積もりします。

Q:導入後のサポートはありますか?
A:はい、稼働開始後も閾値の調整、追加センサーへの対応、操作に関するご質問など、継続的なサポートを提供しています。現場の変化に合わせて柔軟に対応できます。

Q:小規模な工場でも導入できますか?
A:はい、設備台数や工場の規模に合わせてスモールスタートできます。まず1〜2台のセンサーで試験運用し、効果を確認した上で拡張する進め方も可能です。

まとめ

工場の「困った」を放置していると、生産性の低下やコスト増大、品質トラブルにつながりかねません。IoTによる遠隔監視・自動通知の仕組みは、こうした課題に対応する有効な手段です。

「まずは何ができるか知りたい」「自社の工場に合うか相談したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。現場の状況をお聞きした上で、最適なIoTソリューションをご提案いたします。

アイ・エス・プライムでは、IoTセンサーの選定からシステム構築、運用サポートまでワンストップで対応しています。初回相談は無料です。

AIを活用するとさらに効率化できること

IoTで集めたセンサーデータとAIを組み合わせることで、「異常の検知」から「故障の予測」へと進化します。AIが過去の稼働データを学習し、「このパターンが続くと数日後に設備が止まる」という予兆を事前に検知する「予知保全(Predictive Maintenance)」は、製造業のダウンタイムを大幅に削減できます。従来の「壊れたら修理する(事後保全)」や「定期的にメンテナンスする(予防保全)」より、AIによる予知保全はコストパフォーマンスが高く、計画外の生産停止を防げるのが最大のメリットです。IoT導入で「見える化」を達成したら、次のステップとしてAIによる予知保全の検討をお勧めします。

あわせて読みたい

DX・IT化支援の詳細 →まずは無料相談する →

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

石原 則和のアバター 石原 則和 代表取締役

株式会社アイ・エス・プライム 代表取締役。群馬県桐生市を拠点に、中小企業の業務改善・システム開発・Web制作・ウェブ解析・IoT・DX支援を手がける。コンサルティングを軸に、お客様の業務を深く理解したうえで最適なソリューションを提案するスタイルで、製造業・小売業・サービス業など多様な業種の課題解決に携わる。ウェブ解析士マスター・提案型ウェブアナリスト・生成AIパスポート・デジタル庁 デジタル推進委員。

まずはお気軽にご相談ください

社内業務の省力化・ウェブサイト制作・解析・コンサルティングなど、お気軽にお問合せください。

お電話でのお問い合わせ
0277-46-7608
平日 10:00〜18:00
フォームでのお問い合わせ
お問合せフォーム
24時間受付・2営業日以内に返信
目次