ECサイトのアクセス解析で見つけた改善ポイント|PV3倍・CVR改善の事例

ec pv triple case | 株式会社アイ・エス・プライム

「ECサイトを作ったのに、なかなか売上が伸びない」「アクセス数はあるけど、購入につながらない」──こうした悩みを抱えるEC事業者の方は少なくありません。

本記事では、GA4(Google アナリティクス 4)とSearch Consoleを活用したアクセス解析で課題を特定し、商品ページSEO・スマホUI改善・内部リンク強化を実施した結果、月間PVが3倍に増加し、CVR(購入率)が改善した事例をご紹介します。(※お客さまのプライバシー保護のため、業種・数値の一部を加工しています)

目次

ECサイト改善で確認すべき主な指標

改善を始める前に「何を見るか」を整理しておくことが重要です。下表に、ECサイト改善で特に参照する主な指標と確認ポイントをまとめました。

指標内容確認ツール
セッション数・ユーザー数サイトへの訪問量。流入チャネル別に分解するGA4
直帰率(GA4定義)エンゲージメントのなかったセッションの割合。UAとは定義が異なる点に注意GA4
CVR(購入率)セッション数に対する購入完了数の割合GA4(eコマース)
平均エンゲージメント時間ユーザーがページに能動的に関与していた時間GA4
クリック率(CTR)検索結果での表示回数に対するクリック数の割合Search Console
平均掲載順位特定キーワードでの検索順位の平均値Search Console

課題:PV低迷とCVRの低さ

ご相談いただいたのは、自社ブランドの商品をECサイトで販売している企業さまです。サイトリニューアルから半年が経過しても月間PVは伸び悩み、CVRも目標を大きく下回っていました。「何が問題なのかわからない」という状態からのスタートでした。そこでGA4の基本設定を確認したうえで(GA4初期設定ガイド参照)、徹底的なデータ分析を実施しました。

分析:GA4・Search Consoleで見えてきた4つの課題

GA4・Search Console・実際の画面確認を組み合わせて分析した結果、4つの問題点が浮かび上がりました。

課題1:Search Consoleで判明した検索流入の弱さ

GA4で流入元を確認すると、オーガニック検索からの流入は全体の約10%にとどまっていました。Search Consoleで詳細を確認したところ、主力商品ページのCTR(クリック率)が平均を大きく下回っており、titleタグやmeta descriptionがクリックを促す内容になっていないことが判明。検索クエリレポートでは商品に関連するキーワードへのインプレッション自体も少なく、商品説明文のキーワード関連性が薄いことも確認できました。

課題2:実際のページ確認で見えた商品ページの問題

Search Consoleのデータを踏まえ、実際に商品ページを確認したところ、商品説明文が非常に短く、素材・サイズ・使い方などユーザーが知りたい情報が不足していました。また構造化データ(Product)も未実装で、検索結果でのリッチスニペット表示による差別化ができていませんでした。

課題3:スマートフォンでの直帰率が高い

GA4のデバイス別レポートを確認すると、訪問者の約70%がスマートフォンユーザー。GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」を指しますが(UAとは定義が異なります)、スマホ経由の直帰率はPC経由の約2倍という結果でした。実際にスマホでサイトを確認すると、商品画像が小さい・購入ボタンが見づらい・ページ読み込みが遅いなど、複数のUI/UX問題が見つかりました。

課題4:サイト内の回遊が少ない

ユーザーの行動フローを分析すると、1ページだけ見て離脱するユーザーが全体の65%を占めていました。関連商品の表示やカテゴリーページへの導線が弱く、ユーザーが他の商品を発見する機会を逃していたのです。

施策:データに基づく3つの改善

分析結果をもとに、優先度をつけて3つの改善施策を実施しました。

施策1:商品ページのSEO改善

各商品ページのtitleタグ・meta descriptionをユーザーが検索しそうなキーワードを意識して最適化しました。商品説明文を充実させ、検索キーワード(使い方・サイズ・素材など)を自然に盛り込んだほか、構造化データ(Product)を実装して検索結果でのリッチスニペット表示をめざしました(※表示されるかはGoogleの判断によります)。

見直し箇所改善内容
titleタグ商品名+主要キーワードを含む自然なタイトルに変更
meta descriptionクリックされやすいよう特徴・ベネフィットを簡潔に記載
商品説明文素材・サイズ・使い方・シーン提案を追記し文字数を大幅に拡充
画像alt属性商品名・色・サイズを含む説明文を設定
構造化データ(Product)name・description・imageをマークアップ。価格は変動するため動的出力に対応

施策2:スマートフォンUI/UXの改善

スマートフォン表示を全面的に見直しました。主な改善点は以下のとおりです。

  • 商品画像のスワイプ拡大表示に対応し、細部を確認しやすくした
  • 購入ボタンをスクロールしても画面下部に固定表示(スティッキーボタン)
  • 画像の遅延読み込み(Lazy Load)でページ読み込み速度を改善
  • フォント・行間を見直し、スマホで読みやすいレイアウトに変更

施策3:内部リンクの強化

「この商品を見た人はこちらも見ています」のような関連商品表示を追加。カテゴリーページの導線を改善し、パンくずリストも整備しました。商品ページ下部にはスタッフのおすすめコメントを添えた関連商品リンクを設置し、回遊性を高めました。

GA4で設定しておきたいECイベント

今回の分析では、GA4のeコマース計測が十分でなかったことも課題のひとつでした。下表のイベントを正しく設定しておくことで、どのステップで離脱が起きているかを正確に把握できます。

イベント名計測タイミング
view_item商品詳細ページを閲覧したとき
add_to_cart商品をカートに追加したとき
begin_checkoutチェックアウトを開始したとき
add_shipping_info配送先情報を入力したとき
add_payment_info支払い情報を入力したとき
purchase購入が完了したとき

結果:月間PV3倍・CVR改善の実績

これらの施策を実施して3か月後、数値に明確な変化が現れました。

指標改善前改善後(約3か月後)
月間PV基準値約3倍に増加
CVR(購入率)基準値目に見えて向上(スマホ経由が特に貢献)
直帰率65%42%
平均セッション時間基準値約1.8倍に増加
オーガニック検索流入比率全体の約10%主要な流入チャネルに成長

数値の改善に加え、お客さまからは「自分たちのサイトの何が問題だったか、初めてわかった」という声もいただきました。データに基づく改善の価値を実感していただけた事例です。

ECサイト改善でよくある失敗

アクセス解析の支援をする中で、改善がうまくいかないケースにはいくつか共通したパターンがあります。

  • データを見ずに「なんとなく」デザインを変える:見た目を刷新しても、課題がデータで特定されていなければ成果につながりにくいです。
  • 施策を一度に大量に実施する:何が効いたのかわからなくなるため、優先度をつけて順番に実施し効果を検証することが重要です。
  • GA4のeコマース計測が未設定のまま改善を進める:カート追加数や購入完了数が計測できないと、CVR改善の効果測定ができません。
  • PC表示だけ確認してスマホを後回しにする:ECサイトでは訪問者の半数以上がスマホからのケースが多く、スマホ体験の改善が成果に直結します。

よくある質問

Q:アクセス解析の分析はどのくらいの期間で結果が出ますか?
A:分析自体はすぐに実施できますが、改善施策を実行してから数値に変化が現れるまでには通常1〜3ヶ月かかります。特にSEO対策は即効性がなく、継続的な改善の積み重ねが重要です。

Q:GA4はまだ設定していないのですが、サポートしてもらえますか?
A:はい、GA4の初期設定・カスタマイズから分析レポートの作成まで一貫してサポートしています。まずは現状のサイト環境をお聞かせください。

Q:解析データを見ても何がわかるか理解できません。サポートしてもらえますか?
A:はい、データの読み方から改善アクションの立案まで、わかりやすくご説明しながらサポートします。「数字を見てもピンとこない」という状態からでも安心してご相談ください。

Q:GA4とUAで直帰率の定義が違うと聞きました。どう使い分ければいいですか?
A:UAの直帰率は「1ページだけ見て離脱したセッションの割合」でしたが、GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」です。GA4では10秒以上滞在・複数ページ閲覧・コンバージョン発生のいずれかでエンゲージありと判定されます。過去データと単純比較する際はご注意ください。

Q:構造化データ(Product)を入れれば必ず検索結果に価格が表示されますか?
A:構造化データを実装することでリッチスニペット表示の候補にはなりますが、実際に表示されるかどうかはGoogleの判断によります。正確なマークアップと品質ガイドラインへの準拠が前提条件です。

Q:CVRを改善したいのですが、まず何から手をつければいいですか?
A:まずGA4でデバイス別のCVRを確認し、スマホとPCでどちらのCVRが低いかを特定することをおすすめします。特にスマホCVRが低い場合は、購入ボタンの視認性やページ読み込み速度の改善が効果的なことが多いです。

Q:分析・改善の費用感はどのくらいですか?
A:ご状況やご希望の範囲によって異なります。まずは無料の初回相談でサイトの状況をお伺いし、必要な対応内容とお見積りをご提案しています。お気軽にお問い合わせください。

まとめ

ECサイトの売上を伸ばすためには、「なんとなく」の改善ではなく、データに基づいた課題の特定と優先順位付けが不可欠です。GA4やSearch Consoleを正しく活用すれば、改善すべきポイントが明確になり、効率的に成果を出すことができます。

「自社のECサイトを改善したいけど、何から手をつければいいかわからない」「GA4を設定したけど、どう活用すればいいかわからない」という方は、ぜひアイ・エス・プライムにご相談ください。ウェブ解析士マスターの資格を持つ専門スタッフが、データに基づいた改善策をご提案します。初回相談は無料です。

AIを活用するとさらに効率化できること

今回の事例で蓄積されたアクセスデータは、AI活用の土台にもなります。GA4のデータをAI分析ツールに連携させると、「次の1週間でコンバージョンが見込めるページ」「離脱率が上昇しそうなタイミング」を予測するレポートを自動生成できます。また、Looker StudioとGemini(Google AI)の連携機能を使えば、「先月売上に最も貢献したトラフィック源はどこか?」と自然言語で質問するだけで、データを掘り下げた回答が得られます。データが揃ったところで、次はAIに「分析と提案」を任せる仕組みを整えると、Web改善のサイクルがさらに加速します。

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この記事を書いた人

石原 則和のアバター 石原 則和 代表取締役

株式会社アイ・エス・プライム 代表取締役。群馬県桐生市を拠点に、中小企業の業務改善・システム開発・Web制作・ウェブ解析・IoT・DX支援を手がける。コンサルティングを軸に、お客様の業務を深く理解したうえで最適なソリューションを提案するスタイルで、製造業・小売業・サービス業など多様な業種の課題解決に携わる。ウェブ解析士マスター・提案型ウェブアナリスト・デジタル庁 デジタル推進委員。

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